ウイルス性肝炎とは

肝炎ウイルスに感染することで、肝臓に炎症を引き起こす状態をウイルス性肝炎と言います。ウイルス性肝炎には、A型、B型、C型、D型、E型などの種類があります。
A型とE型は、主に食べ物や汚染された水が口から感染します(経口感染)。急性肝炎になり、多くは自然経過で治癒します。一方B型とC型は血液を介して感染し、慢性肝炎になることが多い。

B型肝炎

B型肝炎とは

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで発症する肝炎です。B型肝炎ウイルスのキャリアの母から生まれた児や幼少期に感染した場合にB型肝炎ウイルスのキャリアになります。B型肝炎ウイルスのキャリアの一部に方が慢性肝炎へ移行します。成人してから性交渉などで感染すると急性肝炎を発症します。B型の急性肝炎は、多くの場合は急性肝炎で治癒しますが、一部の方は慢性肝炎に移行してしまします。急性肝炎で治癒するか、慢性肝炎になるかはB型肝炎ウイルス(HBV)の亜型によります。

急性B型肝炎とは

急性B型肝炎は、HBVに感染し、すぐに肝臓に炎症などの症状がみられている状態です。この場合、青少年期以降に初めて感染するケースが多いです。感染経路としては、感染者との性行為が最も多く、注射器の使い回しや輸血で感染することもあります。

主な症状ですが、感染後1~6ヵ月の潜伏期間(人によって異なります。平均は3ヵ月程度)を経てから発症します。初期症状としては、発熱、全身の倦怠感、食欲不振、嘔吐・吐き気、腹部が張るなどです。その後、黄疸(眼球や皮膚が黄色っぽくなる)の症状なども現れます。大半の患者様は、このような症状が1ヵ月ほど続き、回復するようになります。安静にしていれば、9割程度の患者様は自然と治癒するようになりますが、まれに慢性化したり、劇症肝炎になったりすることがあります。

慢性B型肝炎とは

生後間もなく感染したり幼少期に感染したりが大多数です。感染経路としては、HBVに感染している母親から、免疫機能が十分に備わっていない乳幼児に感染してしまいます。胎内感染はなく、主に経腟分娩の産道感染です。
出産時や幼少時期の感染では、すぐに症状が出るということは少なく、ウイルスは潜んだ状態になります。この状態をB型肝炎ウイルスのキャリアと言います。
B型肝炎ウイルスのキャリアの中の一部の方が、将来的に慢性肝炎へ移行します。慢性肝炎は、自覚症状がほとんどないので発症していることに気づかないことも多いです。ただ気がつかないで放置すれば、慢性肝炎は進行してしまいます。時間をかけてゆっくり肝臓の細胞を破壊していくようになります。慢性肝炎が進行すると肝硬変へ進展するとともに肝癌を発症させるリスクが高くなるので注意が必要です。

治療について

B型肝炎ウイルスのキャリアの出産時には、母子間ブロック治療が有効です。これにより多くの母子感染は防ぐことが出来ます。
B型慢性肝炎の治療には、抗ウイルス薬(核酸アナログ治療)が使われます。残念ながらウイルスを完全に排除することは出来ませんが、多くの場合ウイルスの活動性を抑え込むことで肝炎を鎮静化することが可能です。薬に副作用は少ないですが、中断することでウイルスの活動性が抑えられなくなり、病状が悪化することがあるので継続して服薬することが大切です。抗ウイルス薬には催奇形性があるので男女ともに子どもを希望される方は服用が出来ません。そのために若年者の方への投薬は慎重に考えなければいけません。

C型肝炎

C型肝炎とは

C型肝炎ウイルスに感染することで肝炎を発症することをC型肝炎と言います。急性肝炎は少なく、ウイルス感染すると多くの場合、慢性化します。6ヵ月以上に渡って肝炎が続いている状態をC型慢性肝炎と診断されます。

感染経路については、主に血液を介するケースになります。以前は輸血や注射器の使い回しが原因になっていましたが、現在ではそのようなケースはなくなっています。まれにピアスの穴開け、入れ墨などが原因になることがあります。性行為や母子感染が原因になるということは少ないとされています。

慢性肝炎の患者の約7割がC型肝炎ウイルスによる感染が原因と言われています。C型慢性肝炎は自覚症状がほぼありません。したがって病気の存在に気が付くことができません。知らずに病状が進行してしまうとやがて肝硬変になり、身体にむくみ、全身の倦怠感、食欲不振、腹水などの症状がみられるようになります。また肝硬変になると肝癌も発症しやすくなるので、可能な限り早く治療をはじめることが大切になります。

治療について

C型肝炎ウイルスの感染が確認された場合、ウイルスを排除するための抗ウイルス療法が行われます。最近では有効な抗ウイルス薬が開発されたために多くの方でウイルスを排除することが出来るようになっています。薬には副作用も少なく、2-3ヶ月の短期間で治癒することが多いです。その後の経過観察は必要ですが、病気の進行は止めることができ、その結果肝硬変への進展や肝癌の合併も抑制することが出来ます。

抗ウイルス薬が使用できない場合は、肝炎の炎症を抑制し、病気を進行させないようにする肝庇護療法(注射、内服薬 等)が行われます。

ふくろう内科・内視鏡クリニック新宿高田馬場
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